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『聞き書沖縄の食事』-ラフテーの由来(6) [ 沖縄と食]

ラフテーが保存食であったということについて、もう少し紹介します。

『聞き書沖縄の食事』という本が1988年に農山漁村文化協会から出ています。昭和初期の食事について聞き書きしているものです。
その中にラフテーについては次のような記述があります。

「二、三日かけてつくったらふてー・・・」(31頁)
「泡盛と砂糖を入れて七輪にかけ、二、三日がかりでゆっくり炊く。醤油は仕上がりの前に入れる。・・・温めなおして一か月もつので、多めにつくっておく。」(53頁)

泡盛と砂糖を入れて二、三日かけてつくる!
そして醤油は仕上げに入れる。
現在いろいろ紹介されているレシピ(数時間煮る)とは、完全に異なるものですし、醤油で煮込むトンポーローとは異なる料理法です。

 

本来のラフテーはトンポーローとは異なる料理だというのが、正しいようです。トンポーローとの関係があるのかどうかは不明だけれど、沖縄独自の料理であるということです。

温めなおして一か月もつ、保存食だというのは、こういうことのようです。

また、この本には新島正子氏が、ラフテーは保存食であったことを書かれています(「琉球の食とその背景」、324、328頁)。新島氏は「ラフテーの由来(5) 」で紹介したように安次富順子氏の母です。

またこの本には、昭和初期には、料理の調味料は塩と自家製の味噌が一般的で、砂糖と醤油は購入品だったので農村部では使われなかったことや、また豚肉の料理も農村部では特別の料理(正月など)であったことが書かれています。
したがって生の豚肉を醤油で味付けするラフテーは、沖縄の中でも那覇や首里などの都市でのみ食べられていた料理だったことが推測されます。

この本には沖縄各地(那覇、糸満、中頭、やんばる、宮古、八重山、与那国)の料理が書かれている。その中に豚肉料理が出てくる。

那覇では、清明祭(ウシーミー)につくられる「しみむん」に生の豚三枚肉の煮しめ料理が出てきます。
他の地域でも豚肉あるいは三枚肉の煮しめが出てきます。これは正月や清明祭につくられる料理で、豚肉単品の料理としては、この煮しめが一般的のようです。味つけは醤油のようですが、古くは味噌ではなかったと思います。

こうして沖縄全体で豚の煮しめが行事のときにつくらてたのですが、しかしラフテーは出てきません。ラフテーは那覇だけで出てきて、他の地域では出てこない料理だったのです。

さてその豚の煮しめですが、その材料は、はたして生肉だったのでしょうか。
生肉を日常的に食べたのは那覇周辺だけで、農村部では年末に豚をと殺して、それを塩漬けにしたものを清明祭のころまで使ったようです。だから豚の煮しめの材料は、塩漬豚肉(スージキウワーシシ)、塩漬け(スーチキー)だったはずです。
ただしこの本の中では、材料が塩漬豚肉だと書いてある部分は僅かしかありません。しかし語り手にとってはそれが普通であったので、単に料理の種類として豚の煮しめをあげたのだろうと推測する方が妥当だろうと思います。

沖縄では、塩漬豚肉、その三枚肉の部分を煮しめにする料理が正月や清明祭なのど行事のときにつくられた。これに対して那覇では生肉を使った煮しめやラフテーがつくられた。そういうことのようです。

那覇で生肉が煮しめに使われたのは生肉が容易に手に入ったからでしょう。
料理法としては煮しめとラフテーの2つがあって、ラフテーは那覇で特殊につくられた料理のようです。

ラフテーは那覇の料理だということは、首里由来、あるいは遊郭があった辻の料理が広まったものと考えてよいでしょう。


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