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エゾシカ肉を食べる [ 北海道と食]

札幌に泊まったホテルの朝食で、なんとエゾシカ肉の鹿丼を食べることができました。

エゾシカ肉は、臭いのかと思ったら、意外に獣臭さがなく、実に淡泊な味だったのです。これなら普通の日本人でも難なく食べることができると思いました。

私の鹿肉体験は、ずいぶん以前に、長野県で人工飼育された鹿肉を食べたことがあります。そのときの感想は、脂肪分が少なくて実に淡泊な味でした。カンガルーとどっちがいいかわかんないけど、ヘルシーな肉であることは確か。
それと同じような感じの肉でした。

しかしエゾ鹿肉については、私がいままで食べたのは、野生のエゾシカの肉をそのまま調理したもので、特有の獣臭さが残っていました。

ちなみに私少ないエゾシカ食歴はというと・・・。
1回目は、2006年に道東の然別湖畔のホテルで。
そこに宿泊したときの夕食で、「エゾシカ焼き」という陶板焼きで食べました。
私は、マトンのジンギスカンを子どもの時から食べ慣れているせいか、その臭いは比較的大丈夫でしたけど、カミサンは全くダメでした。

2回目は、翌2007年、同じく道東の鶴居村にあるレストランで。
そこでもらった、エゾシカ肉のソーセージが入った「オリジナル・パニーニ」(パニーニとは、イタリアのサンドウィッチのこと)。
これの方が臭いは強かった。もしろん私しか食べられませんでした。

そうした以前のエゾシカ肉と今回の札幌のホテルで食べた肉とでは、味というか臭いがかなり違う。ということからすると、今回の肉はかなり違ったものだろうと思います。

どういうことかっていうと、以前の肉は、狩猟された野生のエゾシカの肉をそのまま使ったものでしょう。
それに対して今回のエゾシカ肉は、エゾシカを生体捕獲して、しばらくの期間、牧場で飼育した上で屠殺したものと思います。
もちろん、年齢や性別の違いでエゾシカ肉の味が違うから、その要因もあるでしょうが、肉の生産の仕方がこの間に大きく変わったってことが、肉質の違いになっているのだと思います。

日本でも、ブロイラーよりも地鶏の方が旨いってのはあるけど、ヨーロッパなんかだと、野生の肉の方が飼育された肉よりも珍重されるようです。そういう嗜好が日本でもできればいいかな、と思います。

そういう日本人の嗜好の問題とは別に、エゾシカについては、深刻な問題があるんです。それを少し解説。

北海道では、すでに全域で52万頭以上のエゾシカが生息していると見られているそうです。これは多すぎなんです。非常に増えすぎたエゾシカのために、牧草、水稲、樹皮などを食い荒らす農林業被害が年間40億円規模に及んでいるとか。
そのため北海道庁では、「1年間に少なくとも7万6000頭のメスを捕獲しないと、全体の個体数は減らない」としている。しかし実際のメスの捕獲数は4万頭前後で推移しているようです。

なぜそうなのかっていうと。
1つは、狩猟するハンターの問題。ハンターが減少して、ピークの78年には2万人だったハンターは、現在5700人まで激減している。しかも高齢化して、運搬や解体が大きな負担になっている。ということらしい。

だから狩猟だけでない別の方法を使わないといけない。

別の問題がもう1つ。
エゾシカを駆除するのはいいが、そのエゾシカを廃棄するだけでいいのか、という反省です。
ヨーロッパでは、シカや野ウサギ、マガモなど野生鳥獣の肉は「ジビエ」と呼ばれて高級食材とされている。だから日本でも、その鹿を有効活用しよう、要するに生息数を適正に管理して、捕獲したものは「食べよう」ってことが提唱されてきた。

1999年にエゾシカ協会、2004年に社団法人エゾシカ協会が設立され、そういう活動が行われてきた。北海道もエゾシカの活用に支援をするようになっきているようです。

ところでヨーロッパでは珍重されている野生動物の肉を日本人が口にしないのは、食文化の問題もあるけど、実は制度的な制約が大きいんです。屠殺・解体や運搬、流通販路などにいくつも課題があって、野生動物を一般人が食べるのは難しいのです。

肉屋で売られている、牛、豚等は、日本では「と畜場法」にもとづいた検査(と畜検査)がないと、と畜できない。ところが野生動物はその対象にはなっていない。
だから自由にと殺・流通できるかっていうと、実はまったくその逆。

疾病確認や解体時の衛生対策などの法定な基準がないから、通常のと畜場ではと殺できない。だからといって自分でと殺しても、今度は正規の食肉ルートには載せられない。流通ルートを自ら築かないことには販売できない。

北海道はそういうことがあるから「エゾシカ衛生処理マニュアル」を2006年に策定した。と畜方法のルール化ですね。
そしてエゾシカ肉の需要を喚起して、流通ルートを拡大する。そんな動きが少しづつできてきているみたいです。

そうした動きと平行して、生体捕獲した エゾシカを一時飼育し、その肉を売る、ということが行われるようになってきて、その肉を使ったレストランも増えている。
今回、私が食べたエゾシカ肉は、そうして流通するようになった肉なのでしょう。こういう肉だと、一般の日本人でも美味しく食べることができると思います。

とはいえ、そうした生産・流通まだ頭数は少ないし、一部の部位しか活用されていないので単価が高くつくようです。
北海道に行ったら、ぜひエゾシカを食べて、適正な鹿の生存に協力しましょう。


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